アルミニウム二次製錬・精製業の概要

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アルミニウム二次製錬・精製業の概要

アルミニウム二次製錬・精製業とは

アルミニウムは、ボーキサイトからアルミナを抽出し、電解工程を経て生まれますが、そうした新地金を製造する「アルミニウム第一次製錬・精製業」に対し、工場やアルミニウム製品から発生したスクラップを主原料として、用途別に成分管理のうえ溶解・鋳塊(注)する産業を「アルミニウム第二次製錬・精製業」といいます。しかし、「アルミニウム第二次製錬・精製業」の名称を使用することはなく、一般には「アルミニウム合金業」の名称を多く使用しています。
(注)最近、環境面への配慮や生産効率の面から、鋳塊を行わない溶湯供給が増加傾向にあります。

アルミニウム総需要量の40%弱を賄う

我が国におけるアルミニウム二次地金・(二次)合金地金(以下合金地金という。)需要量は約150万トンです。我が国のアルミニウム総需要量が約400万トンであることから、合金地金がその40%弱を賄っています。
また、アルミニウム合金地金の80%が鋳物、ダイカスト用に使われており、これらアルミ製品の鋳物・ダイカストは90%以上が自動車・二輪自動車に使用されています。

省資源、省エネルギーで地球環境保全に貢献しています

アルミ合金業は、ビールやジュースの空き缶をはじめ環境を損なうおそれのあるスクラップ類を再利用しているところから、資源保全、環境保全に大きく貢献しているとともに、合金地金製造が新地金製造に比べてわずか3%のエネルギーで済むことから、省エネルギー面からも注目されています。

軽量化、省エネ化で自動車産業を支えるアルミ合金業

現代機械工学の枠を集めた自動車やバイクのエンジン回りは、そのほとんどが合金地金による鋳造品で造られています。アルミニウム製品にはもともと大きな省エネの特性があり、とくに自動車のボディー、ミッション、ホイールにいたるまでアルミニウムにより軽量化が図られ、燃料消費率を大幅に低減させています。燃費効率の向上は、地球の温暖化や大気汚染の原因とされる排気ガスの抑制を可能にします。従って、自動車産業全般にわたってアルミニウムの使用率は、年々増加の一途をたどっています。とりわけ、ピストン、シリンダーヘッド、インテークマニホールドなどのエンジン関係をはじめ、トランスミッションなどのドライブトレイン関係、コンデンサー、ラジエータなどの熱交換器関係のアルミニウム化は顕著で、一部を除きそのほとんどが鋳物・ダイカスト部品で賄われています。

ユーザーニーズに応える徹底した検査と品質管理

種々雑多で、化学成分も一定でないアルミニウムスクラップを主原料とする合金地金の製造には、より高度な品質管理が要求されます。各企業においては、常用分析管理元素はもちろん、管理元素以外の不純物、ガス含有量、非鉄金属介在物などの管理に万全を期しております。また、製造作業標準、検査基準、溶解作業記録、検査記録、各ロットごとの試料などを完備して、万一、クレーム等が生じた場合でも、原因の究明を早急に判明できる体制となっています。
従って、ユーザーからの厳しい品質の要求にも確実に対応でき、内外からの高い信頼と評価を得ています。

アルミニウム合金地金の生産工程図(モデル)

アルミニウム合金地金の生産工程図(モデル)
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